人を集めるのではなく「顧客」を集めるのが集客

集客に関して「とにかく人をたくさん集めればいい」と考えてしまう方も少なくありません。もちろん依頼を増やすためには重要なことです。ですが、実際には単純に人を集めることではなく顧客を集めることが集客です。では、顧客とはどのような人のことを指すのでしょうか。

今回は「人を集めることと顧客を集めることは何が違うのか」とその理由をご紹介します。

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顧客はあなたの価値をちゃんと理解してくれる

顧客を辞書で調べると「依頼してくる人、またはその見込みのある人」といったように記載されています。
では、依頼してくる人は”なぜ依頼してくれる”のでしょうか。それは現状に対して何か悩みや不満や欲求を抱えており、それに対してあなたのサービスが価値を持つことを理解し、納得してくれたから依頼してくれるのです。

「当たり前のことでは?」と思うかもしれませんが、士業のマーケティングでは価値を理解しているという当たり前な事が重要です。

その理由は”あなたの提供する価値”とは”別の価値”を求めて依頼する人もおり、そういった人の依頼ではトラブルに巻き込まれる確率が高いからです。これだけではわかりずらいので具体例をみてみましょう。

  • 一般的に無理のある要望を抱え、他の事務所で見てもらえない。要望を叶えてくれるなら誰でもいい。
  • 値切り交渉が多く、依頼してからは無償でサービスの追加ばかり求めてくる。安ければ誰でもいい。
  • 「お金を払えば何をしても許される」と誤解している。いうことをきけば誰でもいい。

例えばこういった価値を求める人です。こうした相手に振り回されてしまうと先生の本領は発揮できませんし、何より疲れてしまいますよね。

顧客とは単純に依頼をくれる人ではなく、あなたの価値をしっかり理解したうえできちんとした依頼してくれる人と考える方が良いでしょう。ここを理解したうえで顧客を集めることで事務所の成長と安定した経営につながります。

経営者の「出来ること」には限りがある

自分の価値を理解してくれる人だけ集めたいのはもちろんですが、開業したばかりの頃や閑散期など顧客が少ない時期は「とにかく人を集めなきゃ」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、税理士・弁護士・司法書士といった士業には、もともと社会的に確かなニーズがあります。正しい集客方法を実践を重ねていけば、無理に集客しなくてもある程度の顧客は集まります。

大事なのはその後です。どの事務所にも対応できる仕事量には限界があります。安売りしたり「何でもやります」の精神で無理に依頼をかき集めていると、仕事量が増加してきたころに次のようなリスクを抱えることになります。

  • いろんな要望に対応しようとして業務が複雑化していき、手間が増える。
  • 一人の顧客あたりに割ける時間が減って、サービスの質が下がる
  • 忙しすぎてサービスの改善や新しい試みに手が回らなくなる
  • もう少し価格を上げたくても集まった顧客が納得するかわからない

こうなるとせっかく獲得した顧客にも不安を与えてしまい、顧客離れに繋がりがちです。結果として効率的に売り上げが上がらず集客もやり直しという悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

だからこそ顧客を選んで集めることが大切です。安売りせずとも納得してくれる顧客の獲得はお互いにとって良い関係が継続しやすいです。結果として「少ない数でも質の高い仕事」で経営を安定させることができます。

「人集め」と「顧客集め」では集める手段が違う

ただ人を集めようと思った場合、手段は単純です。割引やキャンペーンのように「わかりやすい価値で目を引くこと」で広く注目を集めればいいのです。これは顧客を集める場合でも一つの手段にはなりえますが、こういう手段で集まる人は「興味本位の人」や「安さ重視の人」が中心です。

一方で集客に必要なのは「顧客を集める戦略」です。つまり、顧客の悩みに対して納得できる価値を提示するということです。
例えば相続問題で悩むご家族や契約トラブルを抱える経営者の場合、その悩みは深刻です。「時間や費用がかかってもきちんと解決したい、信頼できる専門家にお願いしたい。」と考えていることでしょう。こうした方に響くのは「丁寧さ」や「誠実・確実な対応力」であって、目先の価値をうたうキャッチコピーではありません。

だからこそ、「誰に、どんな価値を届けたいのか」を明確にし、それを正しく伝えることが欠かせないのです。

まとめ 安定した経営のために

「人が集まらない」と焦ってしまうと、「安くてもいいからなんでもやって依頼を増やそう」と考えてしまいがちです。

しかし、ここでどのように顧客を集めるかで”安い仕事ばかりに追われる”か”信頼できる顧客と適正な単価で長くお付き合いしていける”かが決まります。

努力を重ねて士業として独立された先生だからこそ、自信を持って「人」ではなく「顧客」を集めていただきたいと思います。
そうすれば、先生にとっても、顧客にとっても、双方にとって良い関係が築けるはずです。

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