どうすれば依頼につながるのかお悩みの士業の皆様へ。―集客の3段階構造とは―
独立したら最初にぶつかる壁、それが「集客」
この記事を読んでくれる方、まずはありがとうございます。タイトルを見て読んでくださるということは、おそらく最近開業された士業の方でしょうか。ご自身の事務所を開業されるまで簡単ではなかったと思います。(実際に私にはとても出来そうもありません。)本当にお疲れさまです!
さて、そんな中には「開業したけど、いまいち顧客が集まらない。」と不安な方もいるかと思います。特に弁護士の先生など、口コミでの獲得が難しい一般の顧客をターゲットにする場合は多い悩みかもしれません。
実は、新規の顧客獲得は集客の中でも最も難しく、「新規顧客の獲得には、既存顧客リピートの5倍のコストがかかる」とも言われています。ですので、がむしゃらに集客しようとしても、手間や資金をかけた割には結果が出ないとなりがちです。まずはご自身の課題がどこにあるか把握して最適な取り組みを見極めることが重要です。今回はそんな策を練るにあたり、まずは「集客ってどうやって進めるの?」という基本構造をご紹介しようかと思います。
集客の3段階構造
集客というとSNSやブログ、交流会への参加などをイメージされるかもしれません。ですがこれらは手段であり、まずは顧客が依頼に至るまでの流れを知ること大切です。この流れを知ると、どの手段がどこで活躍するのかが見えてきます。流れは大きく分けて3段階に整理できます。
- 認知してもらう … 事務所や先生の存在を知ってもらう
- 興味をひく … 「この人なら相談してみたい」と感じてもらう
- 行動してもらう … 実際に問い合わせや依頼につなげる
依頼が獲得できないという場合は、この流れのどこかが欠けていると考えられます。逆に言えば、この3つを意識して対策をしていけば、着実に前進できるのです。では、それぞれイメージしやすいように、具体的な説明に移っていきます!
① 認知してもらう — 事務所や先生の存在を知ってもらう。
当然と言えば当然なのですが、開業したらまずはお知らせをして新しく事務所が出来たと知ってもらわなければ始まりません。そのためにはホームページを作っただけでは十分ではなく、ホームページを見つけてもらえる仕組みも必要です。
いくつか代表的な方法をご紹介します。
- SEO対策(検索エンジン最適化)
SEOとは、Googleなどの検索でユーザーがご自身の事業に関するワードを検索した際に、なるべく最初に表示されるように対策する作業のことです。たとえば弁護士であれば「横浜 弁護士」や「相続 相談」と検索されたときになるべく最初に自分の事務所が表示されることを目指します。基本的にはWebサイトの文章や構造を整理することで対策していきます。 - SNSやブログでの発信
士業の場合は「その知識で問題を解決して欲しい」という方が基本的な顧客像になります。そこでSNSやブログを利用して、その知識を専門外の人にもわかりやすく説明したり、その問題の解決に繋がる情報を提供することで、記事を読みに来たユーザーに事務所の存在を知ってもらう方法です。 - 被リンクの獲得
他サイトから「おすすめの事務所」としてWebサイトへのリンクを掲載してもらうことで知名度をあげる方法です。第三者からの紹介は心理的に信頼を獲得しやく、さらにシステム面でもSEOに大きく貢献するので、うまくいけばその効果は大きいです。一方で、掲載先を探さなければいけなかったり、自身で記事の内容をコントロールできない場合があったりと、不便やリスクが大きいという側面もあります
これら全部を同時に取り組む必要はありません。自分のスタイルや得意分野に合わせて、少しずつ対策を進めましょう。
② 興味を持ってもらう — 「この人なら相談してみたい」と感じてもらう
事務所の存在を知ってもらえたら、次は「この事務所なら解決してもらえそう」や「安心して任せられそう」という印象を持ってもらうことが大切です。
そこで重要なのがLP(ランディングページ)の実装です。LPとは、広告やSNSを見たユーザーが更なる情報を求めてWebサイトを訪れた際に、最初にアクセスするページを指します。LPの実装は士業のWeb集客では必須項目に近いです。
SNSも広告もひとつの記事に対する滞在時間は平均すると数秒程度です。もっと言えば、数秒間で読める情報しか掲載できないようにSNS側で文字数やレイアウトを制限されている場合が大半です。一方でLPであれば文字数や画像の制限もなく、レイアウトも自由に組み上げ可能です。
ですので、魅力を伝えるうえでは段違いに効果が高いです。とはいえ、情報が多すぎれば読むのが面倒になり離脱されてしまいますので、読みやすい構成や文章量を意識することが重要です。
③ 行動してもらう — 実際に問い合わせや依頼につなげる
ここまで読んで、「興味を持ってもらえれば問い合わせが来るだろう」と思いたいところですが、実際には多くのお客様が不安を抱えたまま足踏みしてしまいます。
「費用やサービスを知りたいけど、相談してから希望に合わなかったときに、断りずらい」
「一度連絡してしまうと、しつこい勧誘があるんじゃないか。」
「本当に信頼できる先生なのか。契約したあとにトラブルは起きないか。」
こうした不安を取り除く工夫が最後のひと押しになります。そのためには、いきなり大きな依頼をいただくのではなく、まずはなるべく手軽で魅力的なサービスを体験してもらうことが一番でしょう。
定番の方法でいえば
- ごく少額での相談会を開く
- 役立つ資料やツールを無料配布する
- ウェブセミナーを開催する
といったあたりです。
いずれの方法でも共通して大切なことは、顧客の連絡先をいただくことです。連絡をもらえた顧客は見込み顧客と呼ばれ、新規顧客とは区別されます。見込み顧客はすぐに正式な依頼に繋がらなかったとしても、簡単なサービスを受けてくれたということは少なからずあなたのサービスを必要としているわけです。今後タイミングさえ合えば正式な依頼をしてくれる可能性は新規顧客と比べて格段に高まります。
そのため見込み客リストを制作して適度にコンタクトを取ることで、今後の依頼獲得の安定につながります。
まとめ
いかがでしょうか。認知→興味 → 行動 の必要性が感じていただけたでしょうか。
この流れを意識して、いま何を取り組むべきか、そのためには何が必要かが見えてくるだけでも、新規顧客獲得の可能性はぐんと高まります。集客の3段階構造は事務所と顧客をつなぐ架け橋です。事務所の強みと顧客の需要とは?に関してまとめた記事もありますので、ご興味ある方はご覧いただけたら幸いです。
