Web集客に取り組んでいる士業関連の事務所から「アクセス数はあるみたいだけれど、受任につながらない」という話しを耳にすることがあります。この記事では読者心理を元に、読まれて終わりの記事から脱却し、相談に繋げるSEOのキーワード設計を解説していきます。

士業のSEOで受任につながらない根本的な原因
WebサイトやNOTEで記事を書いている方の中には、SEOを意識してキーワードを設定し、専門的な記事の配信に取り組んだことがある方も多いと思います。それでもなかなか受任につながらないと、「Web集客なんて、もうやめてしまおうか」と感じてしまうかもしれません。しかし、受任につながらない原因が本当はどこにあるのかが見えてくると、SEOや記事制作への取り組み方も結果も変わってきます。
多くの場合、問い合わせが増えても受任につながらないケースに共通しているのは、SEOと記事の設計が「人数を増やす」方向に向いたままで読者が相談する理由が定義されていないことです。
前提として、SEOも記事配信も、目的は依頼に進みやすい人と接点を持つことにあります。
具体的には、下記の3点を整理してつなげることだと考えるとわかりやすいです。
記事制作におけるSEOのポイント3点
- 相談者の悩みを明確に定義する
相談者は、悩みの解決を目的に記事を読みに来ます。まずは、誰がどのような悩みを持っているのか、その理由を明確にしましょう。 - 事務所の専門性が、悩みの解決にどう関連するかを定義する
記事を読んだ相談者が、そのまま離脱しないようにするには、その悩みを根本的に解決するために事務所がどう機能するのか、どのような価値を提供できるのかを定義する必要があります。 - 相談者の悩みと事務所の専門性がつながる適切なタイミングを定義する
読者は、悩みを解決するためのヒントを求めて検索します。そのため、どのようなタイミングで、何を理由に、何を求めて検索するのかを定義しましょう。
例えば、日本弁護士連合会は「中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」の中で、中小企業へのアンケート結果として、なぜ弁護士が利用されないのかについて、次のように挙げています。
- 特に弁護士に相談すべき事項がないから …… 74.8%
- 弁護士以外の相談で事足りているから …… 21.9%
- 日頃あまり接点がないため頼みにくい …… 13.6%
- 費用がかかる・費用が高いから …… 15.7%
- 弁護士は探しにくいから …… 5.3%
これは、単純に弁護士への需要がないということではありません。
むしろ、弁護士に何を依頼できて、どのようなメリットがあるのかが理解されていない結果ともいえます。
反対にいえば、**「弁護士が今のあなたの悩みに対して、想像以上に貢献できる」**という伝え方と、その接点を用意することが必要だということです。
つまり、SEOや記事配信の目的は、検索結果で上位を取ることではありません。
相談者に、まだ気づいていなかった価値の提供を知る機会をつくることです。
そのためにも、記事制作におけるSEOのポイント3点を定義したうえで、キーワード設定や記事制作を進めることが重要です。
受任率を高めるキーワード選定は検索ボリュームよりも「相談者の心理」から決める
記事制作のために、「どのようなキーワードなら読んでもらえるか」を考え始めると、多くの人がまずSEOを意識してキーワードを選ぼうとすると思います。
検索ボリュームを見て、競合サイトを確認し、検索されやすい語を選ぶ。この流れ自体は間違っていません。
ただし、それより先に取り組みたい作業があります。
それが、記事テーマに関連する相談者の心理を言語化することです。
どんな業種でもいえることですが、専門家は自分の専門分野の知識が豊富であるがゆえに一般的な相談者の知識量をイメージすることが難しく、記事の内容と相談者に求めている情報がずれてしまうことがあります。
例として弁護士が遺産分割について記事を作成する場合で考えてみましょう。記事の内容を明確に相談者に伝えるために、「遺産分割審判について解説」というタイトルを付けたとします。
しかし、普段から法律や相続に触れていない相談者は、「遺産分割」や「遺産分割審判」という言葉自体を知らない、あるいは理解できていない可能性が高いです。このような相談者がネットで自分の悩みについて検索する場合、遺産分割審判という言葉で検索することはなく、「親が死んだ 遺産 揉めている」といった言葉で検索するほうが自然です。
このように、知識の豊富な士業目線でキーワードを選定してしまうと、相談者の検索行動とのズレが生まれることがあります。そのため、どの士業でもキーワード選定の出発点として置くべきなのは、「依頼に至りやすい相談者は、どういう状況にいるのか」という想定です。
どんな困りごとを抱え、何を不安に思い、どの段階で動こうとしているのか。そこを把握することで読者に検索されやすいキーワードの指標が見えてきます。
読者の心理の言語化が曖昧なままだと、検索ボリュームだけを見て「これも狙えそう」と、使うキーワードの範囲を広げ続けてしまいます。しかし、検索ボリュームだけを基準に記事を作成すると内容の一貫性が崩れやすくなり、読者にとってわかりにくい記事の原因になります。キーワード選定の際は、ぜひ読者の心理の言語化から始めてみてください。
「地名+弁護士」は激戦区 小規模事務所が勝つためのニッチ戦略
ご存じの方も多いと思いますが、士業のWebサイトや記事コンテンツでは、地名と組み合わせた情報設計は、規模の小さな事務所でも集客効果を高める有効な手段です。
士業への相談を考える人は、基本的に自分の生活圏や、現実的にアクセスできる範囲で信頼できる事務所を探します。
そのため、中小規模のコンテンツマーケティングでは、地域語句は外せません。
市区町村名、最寄り駅、沿線名といった地域表現と実務分野を組み合わせたアプローチは、受任意欲が高い相談者と接点を持ちやすくなります。
ただし、「地名+弁護士」という形の語に絞ると、競争が集中しやすい側面もあります。
特に都市部では、こうした語の検索結果上位には、大手ポータルの掲載ページや規模の大きな事務所が強く出ることがほとんどです。地名だけで相談者を獲得するのは、簡単ではありません。
そこで、あわせて取り入れたいのが、相談しようか悩んでいる人の検索意図への対応です。
例えば、
- 「夫に不倫された 慰謝料 どれくらい取れるか」
- 「遺産 相続税 どのくらい」
といった言葉で検索する人は、まだ士業に相談するかどうかを決めていない段階にいます。
この時点で信頼できる情報を届けられれば、比較検討の土台に入りやすくなります。
この検索意図に対応する際は、さまざまな悩みを広く扱うのではなく、1つの悩みを深く掘り下げることが重要です。
Webサイトやプラットフォームに掲載できる情報量には、読者が無理なく把握できる範囲という限度があります。
多くの人材が在籍する大規模な事務所は、さまざまな相談に対応できることが強みの1つです。
一方で、幅広い層の相談者に対応しようとしてWebサイトを調整すると、どうしても1つひとつの悩みに対するメッセージは弱くなりがちです。
そこで、規模の小さな事務所は、1つの悩みをより丁寧に扱うことで、その悩みを抱える顧客に対しては、大規模事務所よりも期待や信頼を持ってもらえる立場を取ることができます。
このように、地名を取り入れるだけでなく、相談内容を掘り下げて検索意図に対応することが、小規模事務所の現実的な勝ち筋になります。
ロクイチクリエイションズはWebからの相談を増加させ、毎月の見込み客獲得を安定化させる、士業経営者のための SEO・コンテンツマーケティング事業です。弁護士、税理士、行政書士、社会保険労務士など、士業ジャンルのWeb集客でお悩みならご相談ください。横浜・川崎・相模原など、神奈川県内のご相談者さまは最短で即日の対面相談も承っております。
